1960s Blancpain Fifty Fathoms Aqua Lang Vintage Divers Watches, RAYVILLE.SA
フィフティファゾムスは1950年代にフランス海軍の依頼により開発されたブランパン社製ミリタリーダイバーズウォッチ。
本品はステンレス製の大径41mmを纏った1960年頃の個体になります。 自動巻ローターに「RAYVILLE.SA」と刻印されていることから、トルネク商標が関与した「バイアメリカン・ウォッチ」であることが覗えます。（下記のバイアメリカン法を参照）
軍事用で強化を目的に、一方向回転ベゼルから両回転ベゼルに変更されています。フィフティファゾムスは多種多様なリファランス・仕様の存在が確認されていますが、弓形に盛られたドーナツ形ベゼルではなく、初期型のベークライト製フラットベゼルが採用されていることもユニークです。ドーム形強化プラスチック風防は、このモデルに良い雰囲気を持たせています。アクアラングを印象づけけている"NO RADIATIONS"（ラジウム不使用）マークは若干の浮きがあるものの良いコンディションを保っています。インデックスのトリチウム夜光は綺麗すぎるので後年塗り直しされているようです。

カテゴリー：　ブランパン　フィフティファゾムズ　アクアラング
制作期：　1960年代
製法：　自動巻、ステンレスケース、スクリューバックケース、両回転ベゼル、デイト機能、耐磁カバー
サイズ： 直径41mm（竜頭を含まず)


BLANCPAIN Fifty Fathoms　ブランパン フィフティファゾムス　1953年〜
ブランパンCEOのジャン=ジャック・フィヒターと、フランス自由軍の2人の英雄 ロバート・マルービエ大尉と クロード・リフォー中尉 によって考案された最初期のダイバーズウォッチがフィフティファゾムスです。
フィヒターは熱心なダイバーでもあり、彼の最大の情熱である海と時計製造の2つを組み合わせた時計を開発する必要性を感じていました。フランス自由軍の接近によりそれは実現を迎え、 'Ecole des naugers de combat'（フランス軍潜水訓練校）のために特別に設計された時計は42mmのステンレス製ケースというかつてない大径で、英国で測定された50 Fathoms（水深測定 約91m）にちなんで'フィフティファゾムス'（Fifty Fathoms）と名付けられました。
1953年から1965年の間に、41mmまたは35mmのケースが取り付けられ、フランス軍と米海軍のために多種多様で異なるダイヤルが製造されました。2カ国の海軍採用に続き、イスラエル、スペイン、ドイツもフィフティファゾムスを採用しました。
最初のフィフティファゾムスの主な特徴には、耐磁性で耐水性の高いケース、ねじ込み式ケースバック、ダブルオーリングシステムクラウン、自動巻ムーブメント、一方向回転ベゼル、そして1つの非常に優れた機能が含まれており、湿度がケースに入るとピンク色に変わる小さな青い円の形をした湿度インジケーターというものでした。
しかし、アメリカ海軍に販売することになると、アメリカの生産者が外国の競合他社よりも25％の価格優位性を与えられ、ミズーリ州の業者から穴石を調達することを規約とした「バイアメリカン法」が課せられていたため、利益化は簡単なことではありませんでした。 　幸運なことに、当時ブランパンのCEOフィエクターの親友となったアレン・トルネクという紳士が米海軍との交渉を内助的に手伝い、時計を「ブランパン・トルネク」または「レイビル・トルネク」という商標にして米海軍に納品されました。 約1,000個のトルネク-レイビル フィフティファゾムスが生産され、ほとんどが委託製造の終了と共に海軍によって破壊されたため、生き残っているのは20〜30個と推定されています。
トルネクと米海軍の関係性と似ている、もう1つの興味深い事実が、フランス海軍がブランパンから直接ではなく、スピロテクニークというダイビング専門の機器会社を通じてフィフティファゾムスを購入していたことです。 当時、スピロテクニークは海洋学者のジャック＝イヴクストーと強固な関係を持っており、発明のいくつかをスピロテクニークで販売したことでフィフティファゾムスの技術を学び、 映画「沈黙の世界」で彼自身が着用したフィフティファゾムスは「ダイバーズウォッチの王様」という当時の象徴的な世界基準となりました。


※ 本品をお買いあげの際には、弊店の保証約款上、分解掃除ののちお渡しとなります。施工完了まで１〜２ヶ月お待ち頂くことになりますので何卒ご了承下さい。なお、ご購入日より１年間が動作保証の対象となります。