1870年代 レンツキルヒ社 ヴィエナクロック 2分銅引き
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レンツキルヒ社製2分銅引きのヴィエナクロックになります。 クラウン(冠)の草花彫刻が実に見事で、端正且つ洗練されたデザインに仕上げられています。 内部の化粧板の木目がまた素晴らしく、上質なウォルナットを使用していることが伺えます。 ヴィクトリア時代の傑作と言っていいでしょう。
同社の時計はヴィクトリア時代アールデコ期を象徴するように、曲線的デザインであり、主流として木製ケースの彫刻に草花をあしらった作品を多く残しています。 現在でも女性層のコレクターに根強い人気を誇っています。
カテゴリー: レンツキルヒ 2分銅引きヴィエナクロック
制作期: 1870年頃
製法: 琺瑯文字盤、木製ケースはオールナット
動力は2分銅引きで、時打ち、半打ちを備えています。 時打ちは分針の位置が12で短針の指し示す数のゴングを鳴らし、半打ちは分針が6の位置になると1回だけゴングを鳴らします。
サイズ: 118cm×41cm×18cm
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【Lenzkirch レンツキルヒ 1849年〜1932年 レンツキルヒ】
レンツキルヒ社は当時、信頼性が低かったブラックフォレスト時計の精度を飛躍させた時計工房です。 創設者Eduard Hauser (エドワード・ハウザー)と、パートナーのイグナス・ショパーレ、ハウザーの息子達の努力によって最高峰の時計を作り出す工房となりました。
エドワード・ハウザーは元々腕の良いオルゴール職人でした。フランス、スイス、イギリスを渡り歩き機械式時計の製作技術を学びとりました。 1849年、ブラックフォレスト地方(バーデン=ヴュルテンベルク州シュヴァルツヴァルト)の小さな町レンツキルヒ(Lenzkirch)でイグナス・ショパーレと共に小さな工房を設立。現在は、時計が特産品として知られるブラックフォレストでレンツキルヒ社は最も古い歴史を持っているメーカーでした。
レンツキルヒは設立初期、ある大きな問題を抱えていました。 時計の心臓部となるムーブメントを作るだけの工房で、19世紀中期、それまで作られていた木製ケースの時計というのは、心臓部となる機械を作るメーカーが、木製ケースを作るメーカーから在庫にあるものだけを買い取って組み合わせるというようなパートナーシップが形成されない製造方法でした。当然、木製ケースの意匠が機械メーカの望むものにならず、ちぐはぐな時計しか作れない時代でした。
1850年中期、資金難で破綻寸前の危機に晒されることもありましたが、「時計のあらゆる部品は、時計メーカーが全て作らなければならない。組み立てから正確に時を刻むことができる調整までを一貫できる組織作りを。」 という創業者ハウザーの信念のもと、会社は徐々に大きくなっていきました。
1860年、ヴィリンゲンの世界産業展で金賞、その翌年1861年のカールスルーハ世界産業展で金賞を受賞しました。 その後、レンツキルヒ社は世界最高峰の時計を作り出す工房として君臨しました。
1932年、世界恐慌が原因でユンハンス社に吸収され全ての建物と著作の全権利を売り渡しました。
【レンツキルヒ社製シリアルの読み方】
年 | シリアル | 年 | シリアル |
---|---|---|---|
1851 | 4,600 | 1880 | 500,000 |
1855 | 21,000 | 1885 | 655,000 |
1860 | 31,800 | 1890 | 700,000 |
1865 | 40,000 | 1895 | 810,000 |
1870 | 165,000 | 1900 | 1,000,000 |
1875 | 227,000 | 1928 | 1,600,000 |
【レンツキルヒの特徴】
レンツキルヒが市場に出回る時は、とにかく秀逸な作品が多く、安心して仕入れを決められます。 シンプルな木匠に注目が集まりがちですが、細部に至るまでのクォリティーが真面目で、絶対に妥協しないという物作りへの拘りを感じます。 100年以上経っても木部に反りが見られないというような、重量のある目の詰まった上質な木材(オーク、ウォールナット)を使用していることが伺えます。 グスタフベッカーを男性にたとえると、レンツキルヒは女性。 同社の時計はアールヌーボー期〜アールデコ期を象徴するように曲線的な柔らかいシンプルなデザインで、主流として木製ケースの彫刻に繊細な草花をあしらった作品を多く残しています。 男性のみならず、女性層のコレクターに根強い人気を誇っています。
レンツキルヒについては、弊社サイトでも紹介しています。(クリック)