電気時計 ATO社 レオン・アト 1920年代アールデコ期 オルロージュ
180,000円(税込198,000円)
ATO社(フランス)で宝飾デザイナーのレオン・アトがデザインした電気時計です。 ATOはシャルル・ドゴール国際空港、パリ駅など主にインダストリアル・クロックを手がけていた時計メーカーで、当時のデザイナーたちがデザインしたアートシリーズは、現在ではコレクターアイテムで人気の的となっいます。
この時代は、世界中の時計メーカーがゼンマイ式を離れ電気式の開発に明け暮れていた頃です。ATO社はその先駆けなのですが、半分剥き出しなムーブメントと配線、コイル巻き磁石の反発を利用した電極振り子など、システムの随所に試行錯誤が伺えます。戦争による物資不足も原因の一つのようです。アールデコ様式とバウハウス様式のミックスみたいなデザインですが、時計技師から観るとびっくりするくらいシンプルな構造で良い意味で無駄が削ぎ落とされています。後に建築家ル・コルビュジエやジョージ・ネルソンたちがATOのデザインをリスペクトして時計を作っていた、というのも頷けます。ATOは後にユンハンス社に商標を吸収されましたが、こうして残った時計が今でもちゃんと正確に時を刻んでいることが素晴らしいです。この時代の時計もなかなか面白いですね。
創業者レオン・アト(Leon Hatot 1883-1953年)は、もともとベルエポックとアールデコのデザインを主体にした宝飾デザイン会社で、ブサンソン市からキャリアをスタートしました。1911年から電気時計の開発に着手し、1923年に電気時計の部門を彼の愛称だったATO(Hatotの前後HとTを除いて)の名前で商標登録。1925年、この商標でさまざまな素材で作られたデスクトップの電気時計がパリ国際芸術展でグランプリを獲得すると瞬く間に人気が爆発しました。以降、ATO社は時代の寵児として活躍、また、フランス時計産業の発展に努めた功績で政府からレジオンドヌール勲章(フランス最高峰)が授与されています。第二次世界大戦期、ブサンソン市がナチスに支配されると、アトは工場が軍事産業化されてしまうことを嫌がって工業を停止、ファシストへの協力を断固拒否し続けました。技術提供を受けたユンハンス社がATOの商標のみ利用していた時期がありましたが、1953年アトの死と共に会社の存在もなくなっています。
近年、スウォッチグループにより「レオンアト」の商標で宝飾腕時計メーカーが立ち上がっています。レオン・アトの功績をリスペクトしたかのような煌びやかな腕時計たちです。
制作期: 1940年代
原産: ATO社(フランス) 創業者 Leon Hatot
製法: 電気時計
サイズ: 高さ41.5cm 幅22.5cm 奥6.3cm
コンディション: 良好で完動品です。
仕様: 現在、電池駆動に変更していますので全国でお使い頂けます。関東方面(50Hz圏内)で使用されるなら、ACアダプターで電気式に戻すことも可能です。