HETTIER & VINCENT 4 Lorrain tulipe Art Deco lustre
アールデコ期の1930年代、HETTIER & VINCENT（H&V　エティエ・ヴァンソン社・仏）の4灯シャンデリア。　H&V社は当時、最高級の照明を制作していたアートディレクターです。　アールデコ様式を象徴するエキゾチックなフレンチデコスタイルと清涼感が欧米でとても高い人気を博しています。

十字方向に波しぶきを上げるシンメトリーな鍛鉄は当時のフレンチアールデコ芸術を象徴するデザインとなっています。
シェードは、なんとローレイン社製なのです！　ローレイン社は正式名を ” Verrerie de Belle-Etoile Daum&Cie ” といって、アールデコ様式のクリスタルガラス製品（照明や花瓶など）に特化して製造販売していたドームナンシーの子会社です。　当時、ルネ・ラリックにもデザインを提供していた画家ピエリ・ド・アヴェソンが主にデザインを担当しました。　ローレインがH&Vの為だけに作ったシェードで、パート・ド・ヴェールの半透明でリリカルな模様がとても綺麗です。白熱球の光を透すと、春の訪れを待ちわびた氷柱が朝陽に照らされ溶けかけたかのような清々しい表情に変化します。

H&Vは他にも、バカラ、ミュラー兄弟、シュナイダー兄弟といった、素性の良い素材しか使わなかったことでも知られており、その人気の高さはオークション市場での実勢価格にも反映されています。


カテゴリー：　４灯シャンデリア
制作期：　１９３０年頃
製法：　パート・ド・ヴェール（練硝子）、鍛鉄
サイズ：　高さ８０ｃｍ、幅５５ｃｍ
重量：　約9kg

電配線は、日本仕様に交換済みです。電球口金は、B22Dをお買い求め下さい。

HETTIER & VINCENT
（エティエ・ヴァンソン社・仏　略称：H&V　設立者：HETTIER-VINCENT　操業:1920〜1930年）
アールデコ期、仏・ヴォージュ地区とパリのトゥレンヌを拠点に、最上級の照明を作りだすことに特化して、上流階級のパリっ子に提供するという一大トップマーケットを築きあげた。　当時、よく名が売れていたルネ･ラリック、ドーム工場、バカラクリスタル、ミュラー兄弟、シュナイダー兄弟などのガラス工芸家、エドガー・ブラントなどの金工細工師を合作させるダブルネームと呼ばれる手法で素性の良い素材しか使わなかった。　金属フレームには、鍛鉄、ブロンズを用いた他に、レギュールと呼ばれる錫系の重量感のある合金製のフレームを使うのが特徴で、アールデコ様式を象徴するエキゾチックなフレンチデコスタイルとシャープな清涼感は高い人気を博した。　その人気の高さは現在のオークション市場での実勢価格にも反映されている。